こんにちは!
上井草すまいる鍼灸整骨院の赤羽です。
2012年に小さな町でオープンした小さな完全予約制・完全個室の治療院で、一人ひとりにじっくり時間をかけて施術をしています。
健康の役に立つ雑学や知識をブログで紹介しています。
トリガーポイントとは
当院の治療を受けて
「自分が痛いと思っていたところとは違うところに痛みの原因があった」
という経験のある方は多いと思います。
腰が痛い方の多くは股関節や臀部に原因があることが多く、時に原因が腹部にある場合もあります。
四十肩や五十肩で上腕部や鎖骨あたりに痛みを感じている人も、原因が肩甲骨付近の筋肉にあることが多いです。
この様に痛みを感じている場所と原因になっているポイントが違うことを、トリガーポイントと言います。
トリガーポイントとは1940年代にジャネット・トラベルらによる命名されたそうです。
かなり古くから使われていたのですね。
そのポイントを刺激することで痛みが誘発され、痛みが再現される性質から来ているとされています。
私の感覚では、
痛みを改善するために離れたところのポイントに鍼や徒手で刺激を入れる時、銃の引き金を引くイメージで施術しています。
鹿を射止めるために離れた場所から銃の引き金を引くイメージですね。
これを読んでくれている方の中にも
「問診の時に痛みの場所を話したのに、その部分を全然触られなかった」
なんて経験があるかもしれません。
私の治療ではトリガーポイントを重視しています。
痛みのある部分(トリガーになっていない部分)を触っても意味が無いことも多いことから、不要な部分には刺激を入れないようにしているからなのです。
トリガーポイントはなぜ発生するのか?
ではトリガーポイントはなぜ発生するのでしょうか?
トリガーポイントが発生する原因は、人間の感覚の曖昧さと脳の性質にあります。
痛みは問題が発生した場所から出た刺激を受容器というセンサーが感知し、その刺激が入ったという信号が感覚神経を通って脳に伝わり、脳が痛みを認識します。
つまり痛みを感じているのは脳です。
この、
問題部位→受容器→感覚神経→脳
という流れの中で色々な問題が発生します。
①脳は痛みの部位を認識する時、どの感覚神経から送られてきたかで場所を判断します。
判断するときには過去の経験や知識と照らし合わせてどこが痛いのかを瞬時に判断しています。
②一本の感覚神経は複数の受容器からの信号を受信しています。
その受信範囲は結構広くなっています。
③受容器は体内(骨や筋肉等)にはそれほど多く存在していません。
一つの受容器が意外と広範囲の信号を受信しています。
皮膚には受容器がかなり密に存在してるので、皮膚を含めて怪我した場合などは正確に認識できるのですが、体内の神経はかなりまばら(疎)になっています。
まとめると
・受容器はそもそも正確な痛みの場所を認識できるわけではない
・神経は複数の受容器から来た信号をまとめている
・脳はどの神経から刺激が来たかを認識するが、その信号がどの受容器から来たかはわからない
・脳は受け取った刺激を経験や知識と照らし合わせて意識に上げる
ということです。
火事で例えてみた
ちょっと例え話にしてみます。
あるところで火事が起きました(問題部位)。
火事を見つけた小さい子供(受容器)が119番しました。
子供なので「火事です」しか言えません。
119番を受けたオペレーター(脳)は場所を特定しなくてはなりませんが、住所は聞き出せず119番した電話があるエリアだけ特定しました。
オペレーターは過去の経験から、以前も火事が発生した場所だろうと判断してそこに消防車を向かわせました。
しかし実際の火事は違う所で発生していました。
とこんなイメージです。
このような現象が起きるのは人間の脳が優秀だからです。
優秀だからこそ受信した痛み信号を知識と照らし合わせて、「ココが痛いんだ」と思い込んでしまうのですね。
自分の身体のことは自分ではあまりわからないものだ。という前提を持っておくと良いかもしれません。
私も腰が痛い時などに先輩の治療を受ける時に
「原因は〇〇じゃないかと思います」
と伝えたのに、実際に治療してもらったら原因が全然違うところだったなんてことがよくあります。
一方で皮膚の感覚はかなり正確に脳に伝わります。
だからどこを触られているかはわかりやすいのです。
施術を受けている時に、触られている場所と痛みの再現が一致することが、そこがトリガーポイントである証拠なのですね。
もし整骨院や鍼灸院などに通っているのにいつまでも治らない痛みをお持ちの方は、そもそも原因をしっかり治療できていないのかもしれません。
一度他の治療も受けてみるのも良いかもしれません。
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