偽物の手を自分の手と勘違いしてしまう多感覚統合とは ゴムの手実験を解説

心理・メンタル

こんにちは!
上井草すまいる鍼灸整骨院の赤羽です。
2012年に小さな町でオープンした小さな完全予約制・完全個室の治療院で、一人ひとりにじっくり時間をかけて施術をしています。
健康の役に立つ雑学や知識をブログで紹介しています。

今回は人間の感覚についてのお話です。

赤羽
赤羽

実は人間の感覚って簡単に騙されてしまうんです。

人間の感覚は鋭いんじゃないですか?

今回のブログはこんな人におススメ!

  • 感覚について知りたい人
  • 脳の仕組みに興味がある人
  • VR・ARが好きな人
  • 科学に関心がある人

ゴムの手実験

まず動画を見てもらうとわかりやすので、こちらをご確認ください。

上記の動画は1998年に科学雑誌「nature」で発表された面白い実験を基にして、動画作成しています。

実験方法

  1. 参加者の両手をテーブルの上に置く         
  2. 右手をついたてで隠し、代わりに目の前にゴムの手(偽物)を置く
  3. ゴムの手は見えるが、自分の右手は見えないようにする
  4. 本物の右手とゴムの手を同時に10分間撫で続ける

これを続けていると被験者の感覚にだんだん変化が出てきて、ゴムの手が自分の手の様な感覚になってきます。

絵筆でゴムの手を撫でられると(自分の手は触られていないのに)くすぐったく感じたり、針でゴムの手の指先を刺すと本物の手がピクっと反応したりするようになるのです。

本物の右手には何も刺激していないのに通常の反射の様にピクっと動いてしまうのです。

脳波を調べると

このゴムの手に針を刺す実験中にfMRI(ファンクショナルMRI)で脳の働きを調べました。

結果脳の反応は、実際に自分の手が脅威にさらされている時と同様でした。

脳はゴムの手を自分の手と認識していたということです。

この実験からわかる事は

  • 手の感覚は触覚だけで認識しているのではない
  • 視覚などその他の情報からも感覚が入っている

という事です。

動画では

被験者はゴムの手をハンマーで叩かれそうになると、明らかに不安な表情になってます。

更にゴムの手にハンマーを振り落とされた瞬間、被験者の男性は大声で叫んでしまいます。

赤羽
赤羽

意識では自分の手ではないとわかっていても、感覚的にゴムの手を自己と同一化してしまったので叫んでしまったのでしょう。

多感覚統合とは

このように様々な感覚を合わせて認識することを多感覚統合と言います。

多感覚統合とは触覚や視覚などのどれか一つの感覚だけでなく、様々な感覚が合体して脳に伝わるという事です。

多感覚統合は触覚と視覚だけでなく聴覚や嗅覚、味覚でも同様です。

多感覚統合の例

〇腹話術や口パクは視覚と聴覚の情報が統合され、口が動いている人や物から声が出ているような感覚になる。

〇4D映画やディズニーランドのアトラクションで映像に合わせてイスが動いたり風が顔に当たると、実際に空を飛んでいるような感覚になる

赤羽
赤羽

先日TDSのソアリン乗ってきました。

私たちは普段から視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚などを組み合わせて様々な状況を把握しています。

例えば食事を味わう時に働くのは味覚というイメージですが、実際は味覚だけでなく、その見た目(視覚)、匂い(嗅覚)、歯ごたえ(触覚)、咀嚼音(聴覚)、温度(温度感覚)などの多くの感覚を統合して味わっています。

更に味覚は精神状態ともリンクしていて、強いストレスを感じている時は味を感じなくなります。

全部が揃って美味しく感じるのですね。

VR・ARは多感覚統合の結果

多感覚統合といえばVRやARです。

VRという最新技術も実際は元々人間に備わった感覚を利用しているだけです。

今後も多感覚統合はどんどん研究されていくので、現実と疑似体験の差はどんどん分からなくなってきそうです。

楽しみな様な怖いような・・・

最後まで読んでいただきありがとうございました。

感覚の異常やしびれなど神経のお悩みは当院にご相談ください。

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他にも脳がだまされる仕組みについてのブログもあります。

ぜひチェックしてみて下さい。

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